経営を行うには資金(現預金)が必要です。どれだけ損失を出して赤字になっても、資金さえあれば事業は継続できます。
たとえ儲かっていなくとも、借入れなどによって資金を用意することができるのであれば、事業を続けることができます。
しかし、たとえ利益が出ていても、資金がなくなれば事業を継続することが不可能になります。黒字倒産はまさにこのケースです。
黒字 の状態とは、決算書で 利益が出ている 状態です。
仕入や経費より売上が大きければ利益がでます。黒字倒産は、売上や仕入と入出金のタイミングが異なる場合におきます。
例えば、現金での販売・サービス提供では、売上と入金は同じタイミングになります。レストランでご飯を食べ、レジでお金を払うようなケースです。このケースでは黒字倒産は考えにくいです。
しかし、売上と入金のタイミングが異なる 場合では、着手金などで先に入金してもらえるケースを除き、後払いで1ヶ月後あるいはそれ以降に入金となるケースが多いと言えます。そのため、売上が上がっても入金はない ということになります。
入金がなくても 仕入などの支払い があります。資金が十分にあれば大丈夫ですが、例えば、入金は3ヶ月後なのに仕入の支払いが1ヶ月後という場合、売上が急に伸びたので仕入を増やしたが、資金が足りなくなって支払いが苦しくなることがあります。さらに入金してもらえないなどのトラブルが重なるなどもあります。
どうしても資金を用意できない場合、最悪の場合は倒産ということになります。これが、売上が伸びているのに(利益が出て黒字なのに)倒産するという黒字倒産です。
利益は、儲かっているのかどうかを知る上で重要なものです。資金が充分にある場合では、利益のみの把握でよいのかも知れません。
しかし、「来月はお金が足りるのか?」「借入れをしなくても大丈夫なのか?」「税金は払えるのか?」など 支払いに対する不安 に対しては、資金繰りの状況を知り、さらに 将来の資金の動き を予測してあらかじめ手を打つことができれば、資金繰りの不安から解放 され、より本業に集中できることになります。